家を食い荒らす害虫シロアリ。代表的なイエシロアリは、1日で自分の体重の1/50の木を食べることが実験で解明されています。仮に100万匹のコロニーであれば、1年間で25kg以上の木材が食害に遭ってしまう計算になります。
しかし、シロアリは床下を主な住処としているため普段は人の目に触れにくく、駆除や予防のタイミングを逃してしまいがちです。ここではシロアリの発生状況や工法別による駆除の時期を解説します。
築何年目がシロアリ駆除のベストなタイミング?
シロアリ駆除のタイミングとして多くの人が考えるのは、築何年経ったら駆除をすべきか?ということでしょう。たしかに、古い木造家屋は一般的にシロアリ被害が多いかもしれませんが、比較的新しい家でも建っている場所や構造によっては、すでにシロアリ被害に遭っているケースもあります。被害に遭わないためには自宅の構造や環境を知るとともに、被害のサインを見逃さないことです。
シロアリ被害に遭いやすい構造や環境
以下のような場合、シロアリ被害に遭う可能性が高くなります。
- 木造在来工法
- 床下が布基礎+防水シート
- 基礎立ち上がりが低く床下換気口の数が標準より少ない
- シロアリが好むマツなどの柔らかい建材を使用している
- 庭に樹木が多い
- 水回りや押し入れがジメジメしている
- 蟻害防除処理の保証期間が過ぎている
これらはいずれも通気性が悪く、湿気が溜まりやすい環境となりえます。さらにシロアリの好物である柔らかい木が多いことは、より繁殖力を高める要素となってしまいます。
また、見落としがちなのは蟻害防除処理の保証期間です。住宅を新たに購入した場合、蟻害防除処理を行うことが多いのですが、薬剤効果の補償期間はほとんどが5年間です。蟻害防除処理をしてあるからと安心していると、すでに保証期間が過ぎ、シロアリ被害が始まっていることも多いので注意しましょう。
シロアリ被害のサイン
以下のようなことがあれば、シロアリが繁殖している可能性が高いといえます。
- 換気口や床下付近に線状の土の盛り上がりがある(蟻道)
- 床や畳の一部がフワフワしている
- 壁を叩くと空洞のような音がする
- 木屑やフン、羽が落ちている
- 羽アリを見つけた
これらはシロアリが建材を食べているときに見られるサインです。このようなサインが見られた場合、たとえ築5年以内の住宅でもシロアリ被害が起きている可能性が高いといえます。築年数にかかわらず構造や環境を見直し、被害のサインに気づいた時点で駆除を検討してみましょう。
駆除に適している季節は?
春から夏にかけて、シロアリ駆除の広告が頻繁に出されます。まさに駆除のシーズンのように思われがちですが、シロアリは年中繁殖して活動しているので、春と夏だけ注意すればよいというわけではありません。
ではなぜ春から夏にかけて駆除の広告が多く出されるのでしょうか。それは、この季節に羽アリが多く発生し、シロアリ被害に気づく人が多いからです。
羽根アリが発生するのはシロアリが生息している証拠
日本には22種類のシロアリが生息していますが、家屋に被害を与えているのは主にヤマトシロアリとイエシロアリです。シロアリはそのほとんどが地中の巣にいますが、巣が飽和状態になると特定の階級のシロアリにはやがて羽が生えくるようになります。
これがいわゆる羽アリで、やがて外の世界に飛び立っていきます。羽アリを発見したら、その背後には多くのシロアリが家にいると考えてもよいでしょう。
羽根アリが発生する時期と見た目の特徴
ヤマトシロアリは4月〜5月、イエシロアリは6月〜7月に羽アリが発生します。発生は蒸し暑くて風がない日が多く、高い場所で飛んでいることも少なくありません。この羽アリも最終的には地中や家屋で新しい巣を作り、活動範囲を広げていきます。
また、羽アリの中にはシロアリではなく黒アリの羽アリもいます。見分け方のポイントは、黒アリの羽アリは胴にくびれがありますが、シロアリの羽アリは寸胴型であること。羽アリを見つけたら、その姿を注意深く確認してみましょう。
工法に合わせてより効果的な駆除の時期を決める
シロアリは年中繁殖し活動しているため、駆除の時期にこだわる必要は特にありません。しかし、工法によっては効果を上げやすい時期があります。現在日本で行われている工法はバリア工法とベイト工法の2種類なので、ここからはそれぞれの最適な時期について見ていきましょう。
バリア工法にふさわしい時期
バリア工法とは、シロアリが建物に侵入しないように基礎や壁や柱に薬剤を撒布または注入し強固なバリアを作る工法です。バリア工法の場合は特に最適な時期というものはなく、さらに即効性もあるためいつ施工してもよいといわれています。
ベイト工法にふさわしい時期
ベイト工法とはシロアリが巣に毒餌(ベイト)を持ち込み、巣ごと駆除できるように家屋の周囲に毒餌を設置する方法です。ベイト工法の効果を高めるには、シロアリの活動が特に活発になる4月〜9月ごろがベストです。一方、行動がやや鈍くなる寒い季節は餌を運ぶ量も減るためその効果が弱まってしまいます。
まとめ
シロアリは人が気づかない内にそのコロニーを広げていきます。大きな地震が起きた場合、シロアリに蝕まれた建物は倒壊のリスクが高まるともいわれています。そんなシロアリの被害を少しでも減らすには、日頃からシロアリの好む湿気のある場所を減らすことはもちろん、被害のサインを見落とさないことが大切です。
「株式会社FreeDom」では専門的知識と技術、そしてお客様との信頼関係を大切に考え、シロアリ被害の点検から駆除、予防まで幅広く承っております。作業日程や費用に関するご相談も随時受け付けておりますので、ご用命の際はお気軽にご連絡ください。